借り上げ社宅制度を運用する企業にとって、管理運用体制を強化することは重要な業務の一つです。
繁忙期(毎年1~3月頃)には多くの手続きやトラブル対応に追われ改善を行う余裕が無いことが多いため、夏から秋にかけて多くの企業が閑散期となるこの時期は、体制の見直しを行う絶好の機会といえるでしょう。
今回のコラムでは繁忙期ではなかなか手が回らない課題に焦点を当て、具体的なステップをご紹介します。
次の繫忙期に向け、社宅運用体制を整えるヒントになれば幸いです。
─ 目次 ─
1 運用プロセスの"見直し"と"効率化"
─ 繁忙期に困りがちなこと 例
─ 繁忙期に困りがちなこと 改善案
2 各部署との連携・体制の強化
─ 管理体制の強化を図るには
3 トラブル対策を講じる
─ <トラブル例>退去時
4 顧客満足度向上の取り組み
5 運用の根幹、戦略の再構築
まずは大枠として「運用プロセスの見直し」から始めましょう。
特に繁忙期にあらわになった非効率な部分を徹底的に洗い出すことが重要です。
不必要な作業が見つかったら削減するなり外部委託の検討を、あるいはシステムによる自動化を進めてヒューマンエラーを軽減するなど、効率の良い方法にシフトします。
例えば繁忙期に集中する入退去手続きや契約更新は、適切に対応できていたでしょうか。
もし「上手くいかなかった」「行き違いがあってトラブルが発生していた」などの心当たりがあれば、プロセスを見直すことでスムーズな運用を目指すことができます。
次の繁忙期が来る前に体制を整えましょう。
……など
閑散期には各部署との連絡も減りますが、だからこそ見直しの話し合いを行う絶好の機会です!
各部署で発生していた困り事をピックアップしていきましょう。
ここで一番大切なのは「各部署間でどう連携が取れるか」を考えることです。
効率的な運用を目指して、社宅担当部署、人事、経理との連携が強化されると、社内手続きはよりスムーズになります。
また、属人化している業務がないかを確認し、チームで対応できる体制を整えることも重要です。
発生しうるトラブルをリストアップし、対策マニュアルを作成することで、次回以降の対応はスムーズになります。
また、実際に発生したトラブルを振り返ることも必要です。
それぞれのトラブルに対してどうやって対処したか、または対処できなかった場合の理由を分析します。
ここで重要なポイントは、「トラブルが発生した原因」に対して ①本来の最適な解決方法(事後やること) ②実際に行った対応(本来は避けたい事) ③発生させないための対策(事前にやること) をそれぞれまとめることです。
繁忙期中に発生したトラブルはメモに残しておき、閑散期で対策を考えましょう。
解約の立会を行ったところ、室内のドアに大きな傷跡が見つかった。
管理会社から修繕費用を請求されたが、入居社員は「自分は傷つけていない、もともと付いていた」と主張した。
上記をはっきりさせて、「元々あった傷」ならば修繕費用を負担しない旨を管理会社へ伝える、「入居後、故意または不注意で付いた傷」の場合は入居者自費負担、「入居後、事故で付いた傷」の場合は火災保険(家財保険)にて対応する。
※企業様ごとの社宅規定により異なる場合があります
※火災保険の契約内容より補償範囲は異なります
「元々あった傷」という確証が無かったため入居者負担となった。
しかし入居社員からはクレームとなり、支払いが大幅に遅れるなどその後もトラブルが続いた。退去がスムーズにいかなかったことで管理会社から企業に対しての信用が損なわれることになった。
今回のトラブル例への対策は、基本的に入居者に対しての注意喚起が重要です。お部屋探し前に共有しましょう!
閑散期に生まれる時間的余裕を活かして、社員満足度向上の取り組みを行いましょう。
社宅利用者アンケートを実施しフィードバックを集めると、利用者の立場で不便に感じている事や手続きのわかりにくい部分が見えてきます。
また(3)からも繋がる話ですが、実際に発生したトラブルから学び、運用体制やサービスの改善できる点を見つけて対策を講じることが大切です。
事前に伝えていたはずなのに……書類を渡していたのに……そんな時、社員様はもしかしたら「よくわからない」「書類が読みにくい」「始めに口頭で1回言われただけだから忘れた」といった不満を抱えているかもしれません。
借り上げ社宅制度を運用することによって会社にもたらされる利益を今一度考え、戦略を再構築しましょう。
もちろん戦略が無くても、社宅運用しているだけである程度のアピールはできます。
ただ、「なぜ社宅を運用するのか」「誰にとってメリットがあるのか」といった運用の土台が定まっていると、既存社員、求職者、取引先、顧客……など、様々な関係者へさらに効果的なアピールが可能になるのです。
そのためにはまず借り上げ社宅制度について理解を深めることが大切です。
まずは競合他社の動向を調査し、規定や運用方法を参考にすることで、自社の運用に活かします。また、地域や時代のニーズに対応した運用を心がけることも重要です。
自社内で話がまとまらなかった場合は、プロに相談しましょう!プレニーズでは閑散期もご相談を受け付けています。
代行を検討していなくても、改善提案のご希望などコンサル相談だけでも大歓迎です。
閑散期を活用して、次の繁忙期に備えた運用体制の見直しと改善を行い、より良い社宅運用を目指しましょう!
社宅管理をもっとラクに行いたい!そんなあなたをサポートさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。
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