日本では長年、賃貸物件を契約する際には「連帯保証人」を立てて契約をする文化があり、ここ20年前後では連帯保証人のかわりに「保証会社」を設定するの契約が一般的となりました。
単純に保証料の有無だけで比較されることもありますが、実際には企業様のリスク管理、社員様への配慮、将来的な運用負担……など複数の視点から選択しないと、社宅の運用方針と差が出てしまいます。
まずは「連帯保証人」と「保証会社」の基本的な違いを整理して、社宅の運用方針と照らし合わせながらどちらで設定するのが望ましいか検討しましょう。

物件の賃貸借契約においては、借主が家賃等の支払いを滞納するリスクが常に存在します。
滞納されてしまうと当然貸主は困るので、「借主が支払いを行わない場合に、借主に代わって支払いを行う人(あるいは会社)をたてないと、部屋を貸せませんよ」という約束が連帯保証人(保証会社)の設定です。
家賃を確実に支払ってもらうことが目的なので、お部屋の所有者である貸主のための制度と言えます。
ざっくり言うと人か会社かの違いですが、費用面など細かい点でも違いがあります。
借主(主たる債務者)と同等の責任を負います。
万が一賃料滞納が発生した場合、貸主は借主を経ずに連帯保証人へ請求することも可能です。基本的に連帯保証人は社員様(入居者)以外の個人を求められます。
企業様から見たリスクとしては、連帯保証人が職を失ったり、実際に家賃滞納が発生した際に、連帯保証人とのトラブル対応が発生してしまう可能性がある点です。また、社員様へ連帯保証人の用意を依頼するとなれば、心理的負担も無視できません。
なお設定に関して費用は発生しないため、若干費用を削減することができます。
連帯保証人に関するトラブルが後を絶たないことから、2020年の民法改正で個人保証に関するルールが大きく見直されました。特に重要なのが、極度額の設定義務です。連帯保証人が負う責任の上限を明確に定めなければ、保証契約が無効となる可能性があります。
法人契約であっても、連帯保証人が個人である場合はこの規定が適用されます。そのため、従来の契約書式をそのまま使用していないか、極度額が適切に記載されているかを確認しましょう。制度改正後も、実務が従来のままになっているケースは少なくありません。
なお2026年3月現在、関東圏では「極度額は家賃の24か月分~48か月分」とするのが地域相場として定着してきました。
極度額の設定が義務化されるのは「個人が連帯保証人となる場合」に限られます。保証会社(法人)が入る場合は極度額の設定は必要ありません。
ただし、
借主が家賃を滞納
→保証会社が代わりに滞納分を支払う
→保証会社が借主へ求償
このような場合に、“保証会社から請求された分に関して個人の連帯保証人を付ける”のであれば、その連帯保証人には極度額の設定が求められることもあるようです。
▼以前のコラムもご参考ください▼
法改正で何が変わった?「連帯保証人極度額」について
保証料を支払うことで、一定範囲の債務を専門の外部会社が引き受ける仕組みです。
連帯保証人と同等の責任を負い、借主に滞納があれば代位弁済を行います。その後借主へ求償します。
保証される範囲は会社やプランごとに異なります。契約内容を把握しないまま運用すると「想定していた保証」と差が生じることがあるので、契約精査は欠かさないようにしましょう。
リスクとしては、倒産の心配があるためどの保証会社と契約するかが重要になる点と、利用料がかかるためやや費用がかさむ点です。

20年ほど前までは連帯保証人を用意することが常識でした。家賃が保証される事実だけではなく、「連帯保証人を立てられるくらい人間関係が良好である」=「部屋を貸しても問題ない人柄」というイメージの問題も含んでいたのです。
しかし時代が変わり、高齢の単身世帯が増えたり、親類や友人との関係が希薄になるなどの影響で、単純に保証人を立てるのが難しくなってきました。用意できたとしても、例えば入居者が高齢だと親類も高齢になり、連帯保証人でありながら支払い能力が無い→債権者が債務(滞納された家賃)を回収できない……といったようなトラブルが後を絶えず問題になっていたのです。
それに伴い、始めは敬遠されていた保証会社の評価も変化しました。
貸主からすると「個人よりも支払い能力が高いから安心」、
借主からすると「誰かに頼んで、関係が気まずくならない」と、
契約当事者の双方にメリットが大きいのです。2026年現在では、賃貸物件の個人契約のほとんどが保証会社必須となっています。
2026年3月現在では保証会社の用意を頼まれるのが一般的です。
仮に法人契約で連帯保証人を用意する場合、基本的に貸主からは会社代表者様を指定されるのですが、「会社の方針で代表者を連帯保証人に立てるのは不可」としている法人様が多いです。そのため必然的に保証会社を用意するケースが増えています。
保証会社を利用しても、なかには追加で連帯保証人の用意を求められることがあります。よくあるのが「保証会社が立て替えた債務(滞納した家賃)に対する連帯保証人」です。
また、以下の要素を含む場合は、法人代表者様が連帯保証人になるよう求められる可能性が高まります。
保証料が不要という点から、連帯保証人を「コスト削減」と捉える見方もあります。たしかに契約する物件が多くなるほど、保証料がかからない=費用削減に繋がりますが、金銭的な面だけで判断するのはやや危険です。前述したような、
……など、金額として表れない負担も含めると、「多少費用をかけて保証会社を利用した方がリスク回避に繋がる」とも考えられます。
近年では保証会社必須とする管理会社も増えているため、社宅規定で「保証会社利用禁止、連帯保証人の用意必須」と定めてしまうと、契約できる物件が少なくなってしまう恐れがあります。
そのため、単純にコスト削減目的だけで連帯保証人を選択するのではなく、「どのリスクを引き受け、どこまでを外部に委ねるのか」という“設計思想”から見極めることが重要です。見えやすい金額だけでなく、見えにくい負担も含めて判断することが、結果として社員様にとっても企業様にとっても、無理のない仕組みづくりにつながります。
保証方法に絶対的な正解はありません。
近年では保証会社を利用される企業様が増えていますが、成長段階や人材戦略によって重視すべき視点は異なります。保証料を支払う事に対しての考え方や、会社負担と社員負担どちらにするのか、など、運営方針を明確にしながら検討しましょう。
保証の仕組みは一見すると事務的な契約条件の一つです。しかし実際には、リスクの所在をどう設計するかという経営的な判断も含まれています。
実務で意識しておきたいのは、
「費用」よりも「設計」の面で考えると、借り上げ社宅制度全体の質は確実に高まります。
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