『保証会社』を利用するメリットと注意点

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『保証会社』を利用するメリットと注意点

前回のコラムで連帯保証人極度額についてお話しさせていただきました。(法改正で何が変わった?「連帯保証人極度額」について)

その中で「一般的に連帯保証人か保証会社を付けないとお部屋を借りることができない」とお伝えしましたが、実は最近ではこの“保証会社”の利用を契約の条件としているケースが増えています

連帯保証人とは何が違うの?どうして利用しなきゃいけないの?今回はそんな保証会社についてのお話です。

保証会社って何をしてくれる?

保証会社(家賃保証会社)は、お部屋の賃貸借契約の際に“入居者が万が一家賃を滞納した場合に、代わって支払いを行います”と約束してくれる会社のことです。

連帯保証人もこれにあたりますが、周囲の人には頼みにくいという方や保証人の要件を満たせず管理会社から断られてしまうケースもあります。
そうしたときに利用料さえ払えば家賃を保証してくれる、いわば“第三者の連帯保証人”が保証会社です。

どうして利用が必要なの?

お部屋の所有者である貸主にとって「家賃をきちんと支払ってもらえるのか」はとても気にするところです。
入居希望者がどんなに良さそうな人でも「もしも滞納があったら……」という不安は拭えないもの。

そんなもしものために保証会社、あるいは連帯保証人の設定が必要になります。

保証会社が定着した理由

かつてお部屋の契約を行う際は連帯保証人(個人)の提出が必要不可欠でした。
今から10年ほど前まで、保証会社を利用しようとすると「知り合いが誰も保証してくれないなんて、この人信用が無いのかな?」と判断されて入居審査が通りにくいほどだったのです。

しかし年数が経つにつれ、高齢者の1人暮らしが増えると「周りも高齢でとても保証人を頼めない」という方が増加しました。
また人間関係が希薄になりつつあることから、若い世代でも「家族や親戚と関わりがない」と、個人の連帯保証人を提出しづらいケースが増えたのです。それによって少しずつ保証会社の利用者は増えていきました。

現在のイメージ

利用者が増えたことで怪訝なイメージも少しずつ消え、現在では保証会社の利用が主流になっています。
個人の連帯保証人では借主と同じように滞納する可能性が残るため、「企業が保証人となってくれた方が(貸主としては)安心!」な風潮に変化したのです。

保証会社を入れることによるメリットとデメリット

借主(入居者)と貸主(お部屋のオーナー)、それぞれの視点から見た場合で考えてみましょう。

借主のメリット・デメリット

【メリット】

連帯保証人を立てなくてよいので周りの人を巻き込まなくて済む。
また、高齢者や収入面に不安がある人でも保証人を立てられるようになるので入居審査が通りやすくなる

【デメリット】

契約時に利用料、その後更新のたびに更新料がかかる。
(※お部屋の更新料とは別です)

貸主のメリット・デメリット

【メリット】

借主が滞納をしたときも家賃が入ってくる。
個人の連帯保証人と比べて、企業が倒産しない限り家賃保証が確約されているので安心。

【デメリット】

借主がお部屋の契約とは別途で利用するため、万が一保証会社との契約更新をしていなかった場合、保証が切れてしまったなんてことも
(※契約解除後に滞納があった際は家賃が保証されません)

このように目立ったデメリットは借主の“保証料、更新料がかかる”くらいで、保証会社が入るとお部屋が契約しやすくなってそれぞれの立場の人にメリットが生まれます

貸主のデメリットに関しては結局困るのは入居者なので、あまりこういう事態はおこりません。
やはり保証会社が入ることの安心とメリットの方が大きいです。

保証会社の利用方法

①選んだお部屋によってどこの保証会社か決まる

基本的に利用するのは管理会社が指定する保証会社です。
もし自分で探した保証会社を利用したい場合は、お部屋を探してくれた仲介会社に相談してみましょう。
※連帯保証人で契約したお部屋を後から保証会社利用に変更することができる場合もあります

また、あまりないケースですが保証会社と連帯保証人をセットで提出しないといけないお部屋もあるのでご注意ください。

②必要書類の用意

これは保証会社に対して準備する書類です。お部屋を借りるための入居申込書類とは異なるので別途準備しましょう。
利用申込書の他に本人確認書類収入を証明する書類の提出が必要です。
人によって用意できるものが変わると思いますが、下記に代表的なものを挙げたのでご参考ください。

【本人確認書類】

免許証、パスポート、健康保険証、顔写真付きの住民基本台帳カード、マイナンバーカード……など

【収入を証明する書類】

源泉徴収票、納税証明書、確定申告書類、年金受給証明書……など
※会社員か自営業者か、といった要素でも書類が変わります。詳細は利用希望の保証会社へご確認ください

【その他】

学生の一人暮らしで家賃の支払いを親に頼む場合などは学生証が、就職前や転職中で収入額が未定の場合は内定通知書等が必要になります。

③もし家賃滞納してしまったら?

保証会社が管理会社へ家賃を立て替える → 保証会社から借主に対して支払いの督促がされる → 借主が保証会社へ、立替えてもらった分の家賃を返済

おおまかですがこのような流れになります。

どんな点に気を付けておくといい?

メリットが大きいのは魅力的ですが、利用にあたって覚えておきたい点があります。以下ご注意ください。

1.連帯保証人とは異なります

連帯保証人は借主と同等の責任を持つことになるので、上記で挙げたような家賃以外の支払いの他、場合によっては隣人トラブルに関しても追及を受けることになります。
しかし保証会社はあくまで家賃を滞納した場合に一旦代わりに支払ってくれるだけ
責任は全て借主である自分自身が背負います。

2.審査が通りにくい場合もある

今までにも家賃の滞納歴があったり、無職で貯金ゼロのような状態だと審査が通りづらいです。

また、一般的に家賃はお給料の3分の1が目安と言われているため「月収30万円で家賃18万円の部屋を希望!」のようにバランスがとれていないと審査は厳しくなります。
さらに言えば、たとえお給料が高くても家賃70万円のような極端に高額な物件だとそもそも入居審査自体が厳しいです。

とはいえ結局は保証会社の判断によるところが大きいので、どうしても希望したいお部屋なら必要書類を揃え「きちんと家賃を支払います」という姿勢を見せましょう

3.滞納した事実はなくならない

「保証会社が付いてるんだから、支払いが遅れても大丈夫でしょ?」

保証会社の利用で最も危険な考えがこちらです。
そもそも家賃は支払うことが大前提!そして実際滞納してしまった場合、保証会社もきっちり回収にくるので結局支払う先が変わるだけです。

1回でも滞納をしたことがあると、保証会社の内部データ・信用情報機関にその事実が残ってしまう可能性があります。
そうすると次のお引っ越しをされる際、同じ保証会社はもちろん、別の保証会社を利用する際にも苦労する可能性が出てくるのです。

怖いのが「この人は滞納する人だ」と認識されて信用を失ってしまうこと。
何度も滞納を繰り返すと貸主との信頼関係が破綻したと判断され、最悪の場合賃貸借契約を切られて退去を命じられることがあるので十分気を付けましょう。

振込の場合は振込期限を、自動引き落としの場合は残高をこまめに確認することが大事です。

お部屋の賃貸借は“信用”で成り立つ

安心してお部屋の貸し借りをするために必要な存在である保証会社。これからお引越しをお考えの方はおそらく新しいお部屋の契約で利用されることと思います。
保証の範囲や万が一の時の支払い方法等を充分ご理解いただき、ぜひ快適な新生活を始めてください。

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