借り上げ社宅は社員様の住居をサポートできる制度として注目される一方で、実際には「導入した後の運用」に課題を感じるケースも少なくありません。
住居手配は入社や転勤のたびに発生するため、制度そのものだけでなく、継続的に運用できる仕組みづくりが重要です。今回は、借り上げ社宅制度の概要とともに、企業様が見落としやすい運用上の課題についてご紹介します。

─ 目次 ─
課題① 手続きの負担が増加
課題② 個別の対応にてんやわんや
課題③ ルールの把握、物件の管理が大変
◇社宅制度を長く活用するために
まとめ|「どのように運用するか」で検討しましょう
異動や入社が重なる時期には、物件探しや条件確認、仲介会社とのやり取りなどが集中します。特定の担当者様へ業務が偏ることで、他の業務に影響が出るケースもあります。
借り上げ社宅は入居時だけでなく、契約更新や解約、原状回復費用の確認など、継続的な管理業務が発生します。
物件数が増えるほど、管理項目、連絡する管理会社、入居中のトラブルリスクが増加。対応漏れのリスクが高まります。
人事異動や退職が発生した際には、解約手続きや新たな住居手配、借り上げ社宅の利用申請など、複数の業務が同時進行します。繁忙期には担当者様の負担が大きくなるケースも少なくありません。
通勤時間や家族構成、希望条件など、社員様によって求める住環境は異なります。そのため画一的な対応は難しく、調整に時間を要することがあります。
"どんなパターンにも対応できる完璧な社宅規定"は難しいですが、なるべく柔軟に対応できるような制度設計を目指しましょう。
全国に拠点を持つ企業様では、地域によって家賃相場や慣習が異なります。
[例]1Rマンションの賃料相場
東京:100,000円 大阪:80,000円 北海道:50,000円
一律の基準で運用してしまうと社員同士で恩恵に差が出てしまうため、地域ごとの調整が必要です。
賃貸借契約は物件ごとに契約条件が違うのはもちろん、管理会社ごとに「火災保険は○○指定」「保証会社と連帯保証人を設定すること」と必須条件が異なります。社宅の運用方針と異なる場合は交渉が必要になり、一般的な個人契約とは異なる対応が求められることもあります。
制度導入時に作成した社宅規程を長年運用し続けると、だんだん時代による働き方の変化や不動産市場の動きに合わなくなっていきます。制度の公平性や運用効率に影響する可能性があるため、家賃上限や対象者の条件など定期的に見直す必要があります。
物件ごとに契約開始日や更新日、賃料条件などは異なるため、契約する物件が増えるほど情報の管理も複雑になります。物件管理専用のシステムを使わずExcelなどで管理している場合、情報更新や確認作業にさらに多くの工数が発生することがあります。
拠点や担当者様によって運用方法が異なると、制度の公平性や管理品質に差が生じてしまいます。こうした差は社員満足度の低下に繋がってしまうので、企業全体で統一したルールを整備し、適切に運用することが重要です。

借り上げ社宅制度の効果を十分に発揮するためには、導入時の制度設計だけでなく、その後の運用体制も積極的に取り組みましょう。制度の利用者が増えるほど担当者様の業務負担も大きくなりやすいため、継続的に運用できる仕組みづくりが重要です。
社宅制度は導入がゴールではありません。むしろ導入してからが本格的なスタートと言ってよいでしょう。お部屋探しをして契約し、更新時期を気にかけ、入居中のサポートも行い、解約までの間に起こるトラブルに対応しながらどれだけスムーズに運用できるかが肝となります。
担当者様が無理なく運用できる体制を整え、業務フローを明確にしておくことで、安定した制度運営につながるでしょう。
手続きルールや社宅規程を整理し、運用方法を統一しましょう。担当者様ごとに対応にばらつきがあったり、属人化してしまうと、「○○さんならやってくれたのに」「○○さんがいないから何もわからない!」といった対応の差が発生します。
ルールが明確になることで、引き継ぎが発生した場合でもスムーズな運用が期待できます。
社宅運用に関する業務は多岐にわたるため、状況によっては外部サービスを活用することも有効です。業務の一部を委託することで、担当者様の負担軽減や業務効率化につながる場合があります。自社の運用体制や課題を踏まえながら、最適な方法を見極めることが大切です。
借り上げ社宅制度は、社員様を支援する福利厚生制度として多くのメリットがあります。しかし、実際の運用では物件手配や契約管理、社員様対応など、さまざまな業務が発生します。
制度の導入効果を十分に発揮するためには「どのような制度にするか」だけでなく、「どのように運用するか」という視点も欠かせません。社宅制度を検討する際は、運用負担まで含めて設計することが、長期的な制度活用につながるでしょう。
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