企業の人材不足問題を解消──求職者が望む"魅力的な会社"とは?

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企業の人材不足問題を解消──求職者が望む"魅力的な会社"とは?

いま企業の人材不足が心配されています。
総務省統計局の発表によれば、労働力人口(15 歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は2020年から2年連続で減少。日本は少子化が進み、今後さらに労働需要に対して供給が追い付かないのでは、と懸念されているほどです。

人事・労務に携わる方においては何か対策をとっているでしょうか。

労働人口が減るとどうなる?

働く人がいなければ会社は成り立ちません。労働力人口が減少していけば各企業で“労働者の取り合い”が加速します。

すると求職者にとって「魅力的に見える会社」には応募が殺到するのに、「魅力を感じにくい」企業には応募が来ず人材不足は解消されないままです。
あなたの会社は”求職者にとって魅力的な会社"に見えているでしょうか。

求職者が望む"魅力的な会社"とは?

求職者・社員が企業に望んでいること
    ─ 目次 ─

─(1)手当て・福利厚生が充実
─(2)就業時間の柔軟性
─(3)テレワークの導入
─(4)給与体制の見直し
─(5)個々のプライベートを尊重
─(6)経験者ばかりではない!
採用は人と会社の未来を決める

()手当て・福利厚生が充実している

当コラムでも何度か話題に取り上げてきましたが、手当や福利厚生の充実している企業はそれだけ従業員への還元を行っているため「この会社は自社の社員を大切にしてくれるんだな」というポジティブなイメージを持ってもらえます。

(以前のコラム:企業と社員のマッチング。『福利厚生』に何を期待する?)

 ユニークさで勝負

『野菜の無料販売』『テーマパークへの社員旅行』『お菓子食べ放題』など企業独自の福利厚生は「面白い取り組みをしている会社だ」という印象を与えプラスに働きます。
飲食店のまかないのように業種ならではの制度があると会社への愛着も沸きやすいですね。

実は「普通」の充実こそ大事

良い印象を持ってもらいたいのは勿論ですが、福利厚生は無理して新しいものを作ればいいというものではありません。
それより住宅補助、食費補助、配偶者手当、資格手当、交通費支給...など「普通じゃん!」と思われるものばかりでも、充実しているならばそれも大きな魅力です。

特に衣食住は誰もが関わる事。会社が金銭的なサポートをしてくれることは従業員にとって大きなメリットとなるため、あると嬉しい制度です。

社員のやる気に応えるために

長年働いているとただ業務をこなすだけではなく

  • 業務に関わる参考書を購入
  • 新しい見識を得るためセミナーに参加
  • 資格取得を目指して試験を受ける

などスキルアップのために行動する者が現れます。

そのやる気に会社が応えるには「参考書購入費補助」「資格手当」「セミナー受講費用補助」などの制度を整備することです。
「勉強したいけど自腹はキツイなぁ……」と二の足を踏んでいる人も、購入費用が補助されたり試験に合格したら手当が増えることを思えば、モチベーションアップに繋がります。

社員のやる気に対して会社が支援してくれる環境があれば求職者も「安心して長く働けそうだ」と思えるし、ゆくゆくは会社としても業績アップが期待できそうですね。

()就業時間の柔軟性

就業時間も1パターンではなく、ある程度社員に選択肢を与えましょう。

共働きが多い現代では多くの人が仕事だけではなく家事・育児を両立しています。
また超高齢化社会により介護に携わる人も増えており、小中学生の子供が祖父母を介護する「ヤングケアラー」が問題になっているほどです。

生活スタイルは1つではありません。「子供の迎えがあるから早く帰りたい人」もいれば「朝はデイサービスに寄るから出社時間を遅らせたい人」もいます。
「朝起きるのが苦手な人」もいれば「夕方は暗くなる前に帰りたい人」もいるし「満員電車を避けたい人」もいます。

"就業時間の選択"ができること

様々な事情を持つ人が働くには、シフト制フレックスタイム制時短勤務など取り入れて個々に合った就業時間の選択ができると安心です。

求職者も就業時間が1パターンでは「この時間じゃ働けないな……」と諦めてしまいますが、選択肢があれば「ここなら調整ができそうだ!」と応募してくれる可能性が残ります

()テレワークの導入

2020年以降加速しているテレワーク導入の風潮ですが、一時的なものではなく通常の就業スタイルの一つとして多くの企業で定着してきています。

大手通信業者では「原則自宅を勤務場所として出社は出張扱いとする」として、テレワークが主となる取り組みをスタートさせました。

テレワークには外出の機会を減らす目的もありますが、働く環境の選択肢を増やす意味合いもあります。そして選択肢が多い企業の方が「ここなら働ける」と思ってくれる人も多くなるでしょう。

テレワークが人気の理由

自分らしさを求める現代、「好きな時間に働ける」「好きな場所で過ごせる」「やりたいことができる」など個人の意思を尊重する事が重要視されています。
決まった時間に決まった場所で決まった人達と決まった仕事をこなす──これでは選択肢が無く自分らしさは見当たりません。

そのため(事務所よりは)自分のペースで気持ちを楽にして働けるとして、在宅勤務やサテライトオフィス勤務といったテレワークの人気が高まっているのです。

周辺整備も忘れずに

在宅勤務の場合は自宅で過ごす時間が長くなるので電気代や水道代が高くなります。
他にも作業用のPCが必要になったり、連絡手段でスマホを使ったり──と、テレワークに伴う細かいあれこれが発生します。

そのためテレワークを導入する場合は光熱費の一部負担家賃補助などを取り入れて社員をサポートしましょう。機器が必要であれば会社貸与で準備すると個人の負担が大きく減ります。

"会社のために業務をこなす"のが社員の役目ならば、"仕事をしやすい環境を作ること"が企業の役目です。

()給与体制の見直し

みなさん働く目的は様々ですが、共通しているのはお金を稼ぐことです。稼がなければ生活ができません。
なので求職者にとっても「給与がきちんと支払われるのか」「支給額は業務内容に見合っているのか」という要素はとても大事です。

どこを見直す?

  • 昇給はあるのか(タイミングは?)
  • 賞与は出るか(年何回?支給基準は?)
  • 役職手当はその責任に見合っているか

また、業務は営業・接客・事務・保守などの職種、外部と接するか社内だけの作業か、専門的な知識や資格を必要とするか、金銭や個人情報を扱うか、といった要素で業務に対する負担が変わります。

当然それによって支給額が変わりますが、極端にどこかを高く/低くしていないか見直しましょう。
社内での格差が激しくなれば求職者にアピールできないばかりではなく、既存社員からも不満が上がり企業にとってマイナスでしかありません。

スタートの支給額が低い場合

募集時の給与が比較的低く設定されている場合、どうしても応募は少なくなりがちです。
そのときは仮に3年、5年、10年と働いたらどれくらい給与が増えるのか給与例を公開しましょう。

入社1年目では給与が少なくとも、資格をとる・役職が付くことで手当てが増えたり、毎年の昇給できちんと基本給が上がることがわかれば「社員を正当に評価してくれる会社」だと思ってもらえます。

たとえ会社自体に興味を持ってもらえても「給料が低いな、将来的にも給与アップは望めなさそうだ」と思われたら応募はきません。
会社の未来に期待してもらえる事は大きなアピールになります。

()個々のプライベートを尊重

社員一人一人が前向きに仕事に取り組んでくれるためには社外の時間、つまりプライベートについても配慮することが大切です。
プライベートが充実していれば仕事に身が入りやすくなりますし、個人を尊重すれば会社への信頼も自然と高まります。

休暇制度の整備

年末年始休暇、慶弔休暇、育児休暇といった基本的な休暇の他にどんな休暇を設けているか、といった点もアピールポイントとなります。
就業時間に集中するためにも、休むときはしっかり休む!のメリハリが大事ですね。

休暇制度が充実していることで「普段の仕事を一人に依存/集中させていない」「休みがとりやすい」という印象も与えてくれます。

< 休暇制度一例 >

  • 家族との時間を大切にする「バースデー休暇」「配偶者出産休暇」「行事休暇」
  • 体調管理のための「看護休暇」「生理休暇」「予防接種休暇」「リフレッシュ休暇」
  • プライベートの活動を応援する「推しメン休暇」「ボランティア休暇」「失恋休暇」

残業や休日出勤の削減

過度な残業はプライベートの時間を削るため社員の疲労が溜まります。

定時を守って残業時間の少ない業務体制を敷く。その"あたり前"は求職者にとって大きな魅力です。
健康管理にも繋がり、業務に集中して取り組むことができるため会社にとっても大きなメリットとなるでしょう。

ただライン保守・製造系など、業務上どうしても残業や休日出勤が高頻度で発生する業種はあります。
その場合は振替休日を与える、休日出勤の手当を出す、などプラスの要素を付けて理解を求めることが大切です。

典型的な"会社"の在り方にとらわれない

会社=仕事をする場、なのは当然として「会社にいる間は仕事関係以外の事をしてはいけない」のはもはや過去の考え方。
(2)で挙げたように様々な事情を持って働く人がいる中で、会社の規則が多くの人の生活スタイルにあっているのか見直してみましょう。

例えば昼休みの使用方法。労働基準法で「自由に利用させなければならない」と定められていますが、なかには制限を設けている企業もあります。

自宅が近所の社員に対して昼休み中の一時帰宅を認めなかったり、息抜きでカラオケやマンガ喫茶などに行くことを禁止したり……これらは法的には"自由時間の制限"にあたるため、会社の対応が違法です。
リフレッシュのためにも、もっと「自由時間は自由に!」の考えが浸透するといいですね。

また、日本ではまだ少ないですが子供やペットとの同伴出勤を認める企業も増えています。
「子供を家に残しておけないし……」と働きに出られなかった人が戦力となったり、「愛犬家仲間が多いとチームとしての意識が高まる!」などの効果があります。

このような制度は対象企業がまだまだ少ないことから求人情報では注目されやすく、幅広い人に認識してもらえることが大きなメリットです。

()経験者ばかりではない!応募しやすいのは……

急募の人員補充ではどうしても優秀な経験者を求めてしまいますが、「同種の業界で、数年の現場経験があり、資格を持っていて、実績を積んでいる人」なんて条件を重ねたら余計にハードルは上がります。
まず応募が来ない事には採用はできません。

"これから"を見据えた採用

極端な話、どれだけ優秀な経験者でも半年で辞めてしまったら元も子もありません。
それより未経験でも仕事熱心で周りの話を聞くことができ、長く働いてくれる人の方が会社の未来にとって大きな財産となります。

"今どれだけ優秀か"も大切ですが、"これからどれだけ伸びそうか""長く働いてくれるか"を重視しましょう。

仕事で"人を育てる"ということ

社員の成長は会社の成長です。そして社員が成長するためには会社のサポートが欠かせません。

  • 業務に関係するセミナー受講
  • 業界の最新事情についての勉強会
  • 世情、流行についての考察
  • 教育担当を置いて質問や相談のしやすい環境に
  • 新卒社員にはマナー研修
  • 資格や試験の勉強会をひらく

こうした成長の機会を設けると未経験者でも応募がしやすくなります。
「社員を放任せずしっかりサポートしてくれる余裕のある企業」だと認識されれば、イメージアップにもつながるでしょう。

そして、どんなに良い制度を整えても知られていなければアピールになりません。
成長した社員には業績によって昇給・昇進の道を拓くこと、そしてそれを開示しておくことも大切です。

こうした条件が揃えば「未経験だけど新しいことに挑戦したい!」人も来てくれます。
その可能性はただ待つのではなく自分達で広げていきましょう。

採用は人と会社の未来を決める仕事

人を採るというのは決して楽な事ではありません。
事業計画から採用人数を決め、採用までの工数を考え、面接官の業務時間を調整し、情報媒体への掲載を準備し、応募者を選定し……やる事が多く時間と労力を使います。

そして"採用する人物を決める"という事は、"1人の人生"と"会社の未来"を決めるということです。
簡単な業務ではありませんが、だからこそお互い良い出会いがあると嬉しいですよね。

望む魅力、望まれる魅力

今後も労働人口の減少は企業にとって頭を悩ませる問題であり続けるでしょう。
人材確保のためにどうしたら求職者に注目してもらえるか、今企業には何が求められているのか?その点を考慮できるかが人材を確保できる分岐点となりそうです。

求職者は魅力的な企業に出会いたいと考え、企業は魅力的な人に入社してほしいと願っている。
これからの求人情報では"魅力的な企業"としてのアピール合戦がより熾烈になることが予想されます。

企業は自社のアピールポイントを増やすことで他社との差が出ます。
そうした差が求職者にとって"魅力的な企業"の要素となるのです。
改善できる点、新しく取り組めること、将来の展望、入社後のイメージ、細かい採用基準の開示、柔軟な勤務体系……あなたの会社の魅力は何でしょうか?

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