【事前に防ぎたい!】“社宅”にまつわるパワハラ・トラブルの例

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【事前に防ぎたい!】“社宅”にまつわるパワハラ・トラブルの例

労務・人事に携わる方が日々懸念しているのがハラスメントを始めとする様々な対人トラブル
2022年4月には俗に言う『パワハラ防止法』が改正され、中小企業に対しても職場のパワハラ問題の防止措置をとることが義務付けられました。

職場のパワハラや対人トラブルには社宅にまつわるものもあり、社宅制度を導入されている企業ではこうしたトラブルを防止するための環境整備も行われています。
しかしどんなに気を付けていても人が集まるほどリスクは上がってしまうもの。
事前に防止するためには、まずどんなトラブルが発生しやすいのかを知り、その上で対策をとりましょう。

今回は社宅にまつわるパワハラや対人トラブルの例を集めました。
「まさか自分の会社でこんな事は……」ではなく「もしかしたら起こる可能性のある事」として捉えることで今後の対策に繋がります。ぜひご参考ください。

“近い”社宅にまつわるパワハラ

社宅規定で「職場から500m以内」と距離に関する規定があり、なおかつ社宅利用者が多い企業では同僚に自宅が知られている場合があります。
マンションやアパートの少ない地域では同じ建物に住んでいることも珍しくありません。

仮に仲の良い同期など本人同士が納得していればよいのですが、気の抜けない上司が相手だった場合は部下に対する社宅パワハラが発生してしまうこともあります。

(1)業務時間外に呼び出される

業務が終わり自宅で休んでいると上司から電話が……延々と仕事の話をされた挙句「ちょっと会社に戻ってきて」とお願いされることも。

困るポイントが、自宅を知られているせいで「断ったら家に来られるかもしれない」という恐怖がつきまとう事です。
上司が相手なので「家近くだからすぐ来られるよね?」と圧をかけられたらほとんどの人は出向いてしまうのではないでしょうか。

自宅にいても仕事の連絡に怯えていては心身ともに休まりません。

防止するための対策

当たり前の事ですが「業務時間外は仕事の連絡をしない」ことを徹底させましょう。

ただ業種的に本当に緊急の用があって呼び出しが発生することもあります。
事前に「発生する可能性がある」と予測が付く場合は、その旨を規約に盛り込んでおくとよいでしょう。
呼び出しされて従事した業務については残業代を出すか、別日に休みを付与すると従業員も納得しやすいです。

(2)先輩・上司が勝手に遊びに来る

帰宅時間が一緒になると帰路を付いてこられ家に上がり込まれたり、休日に「暇だから」と押しかけられることも。先輩を相手に無下にすることはできず嫌々家にあげている人もいます。
たとえ業務時間外でも自分の立場を自覚し断りづらい後輩を利用しているのですから立派なパワハラです。

「会社の名義なんだから遊びに来るぐらいいいだろ!」などど謎の理論が展開されることもありますが、“利用する権利”は入居者本人(+届出済の同居人)が持ちます。会社名義だからといって先輩が上がり込んでいい理由にはなりません

防止するための対策

厳しくするならば「入居者以外の立ち入りを禁ずる」と規定しましょう。
しかし友人も遊びに来られなくなるので反発されることが懸念されます。

対策としては事前の周知を徹底させることです。
社宅の利用権利は入居者にあることや、コンプライアンス研修などで日頃から“節度を持った距離を保つこと”を心がけるよう社員に認識させるとよいでしょう。

(3)「会社の近くだから」と残業させられる

自宅が徒歩圏内にあると起こりやすいトラブルです。

電車通勤の社員達が「帰りが遅くなるから」と帰っていく中、職場に近い者だけが遅くまで残業をさせられるという話はままあります。
「お前は歩きで帰れるだろう!まだ残って仕事をしろ」と上司から目を付けられやすくなり、通勤時間が減った半面残業時間が増えてしまった‥‥‥これでは心身ともに休まりません。

防止するための対策

そもそも極力残業をしないような体制を整えましょう。

どうしてもその日その時間に終わらせなければいけないのなら「社宅利用している人」「家が近い人」から選ぶのではなく「その日余裕があって対応できる人」が行うべきです。
定時退社の権利は全社員に等しく存在しているはずです。家が近いからといって放棄しているわけではありません。

部下に不必要な残業を強いている社員がいるならば、早急に人事・労務部から厳しく指導を行いましょう。

(4)住民トラブルがあっても注意しにくい

社員達はほぼ同じ条件でお部屋探しをするので、マンション・アパートの少ない地域であったり社宅規定が厳しかったりすると物件被りしてしまう事があります
ご近所どころか先輩後輩でお隣同士、あるいは「真上の部屋が先輩/後輩」になることもあり得る話。すると特に発生しやすいのが騒音に関するトラブルです。

足音が響く、ドアを強く閉める、大音量で音楽を流す、深夜早朝に掃除機や洗濯機を使う、頻繁に部屋で宴会をしている……

こうした騒音被害に遭った際、
「先輩相手だから指摘しにくいなぁ」
「新人相手だから注意したら会社に来なくなるかも……」
と我慢してしまう社員がいます。

会社の人間同士でなくても住民トラブルの被害は大きなストレス!
なのにその上余計な気を遣っていたら休まる暇がありません。

防止するための対策

社宅の相談窓口を設けましょう。

被害に遭った際の逃げ道があれば「いざという時は頼っていいんだ!」と安心感が生まれます。
例のように上下関係がある場合本人に解決させようとすれば新たな問題を生むことがあるため、間に第三者を挟むのは効果的です。

トラブルの原因が社員であれば基本的に管理会社ではなく法人側が対応して解決に動かなければいけません
相談が入った際はどのように動けばいいのか、なんと言って注意を行うか、迅速に対処できるようマニュアルを作っておくのもよいですね。

“社宅利用”に伴う社内の対人トラブル

残念ながら社宅制度があることによって発生してしまうトラブルというのも少なからず存在します。

(1)“社宅の利用”を理由に仲間外れにされる

いわば派閥のように「社宅を利用している人達」「社宅を利用していない人達」で集まりができ、自分のグループに属していない人を邪険に扱うなんてことがあるようです。

ほとんどの従業員が社宅(特に借上げではなく保有寮)に入っていると、利用していない人を除いて休日遊びに出かけたり……

逆に社宅利用している方が少数だと、利用していないグループから「社宅じゃないと暮らせないんだ」と影口をたたかれたり……

「いやいや、いい歳した大人の集まりでそんなことあるわけないだろう」
と思ったならあなたの会社は正常な環境なのだと思います!しかしこれから何も起こらないとも限りません。

防止するための対策

意図的に仲間外れにする、評価を下げる発言をする、見下す、不当な扱いをとるなどの行為はすべて「他の社員への迷惑行為」にあたります。

コンプライアンス研修などでこういった議題を取り上げ、会社として断固看過することはできない姿勢を示しましょう。
事前に周知させることで抑止力となる上、被害を受けた社員も「迷惑行為を被っている」と報告しやすくなります。

(2)雑談のネタにされる

「ネットだと10万円で募集してたから5万円で住んでるんでしょ?」と詮索されたり、「○○さんの家って南向きで間取りが2LDKなんだよね~」などと勝手に家のことを広められたり……。
本人が嫌がっても「社宅なんだから情報共有しようよ」なんて理由を付けて話をやめてくれないことも。

“社宅制度に興味を持っている”という一点では良い事ですが、興味本位で利用者を不快にさせる行為は許せませんね。

防止するための対策

たとえ会社の名義でも社宅は利用者の住まいであることをしっかり認識させましょう。
この点に関してはとくに「社宅を利用していない社員」に周知させておく必要があります。

住まい=プライベートの空間です。過剰にプライベートを詮索されれば不愉快な思いをします
社宅に関したことに限らず、社内で雑談をする際には気を付けたいものです。

(3)特例をつけてもらったら嫌がらせされた

こちらは社宅利用者同士のトラブルです。

社宅のお部屋探しをする際は距離、広さ、階数など社宅規定に定められた様々な条件をクリアする必要があります。
会社によって異なりますが、通常入社年や役職が同じであれば社宅規定の内容はほぼ同じです。

しかし「もう少し距離の離れた物件に住みたい」「追加の敷金は払うから喫煙できる物件がいい」などの要望が出ることも。
そうした際には総務部長などの裁量で特例を設けることがあります。

すると要望を出さなかった人は不満を感じてしまい「自分はちゃんと規定を守ったのに!」「身勝手でずるい奴だ!」と特例を付けてもらった社員に対して嫌がらせする……なんてことが起こります。

もちろんずるをしたわけではなく“要望を出して上長の許可を得る”手続きを踏んでいますから何も問題はありません。しかし一度ヒートアップした社員を納得させるのは骨が折れます。

防止するための対策

社宅利用について説明する際に「基本的には社宅規定を守った上で、“どうしても!”という理由がある場合は特例を出すことがある」のを伝えましょう。
特例の存在を知っていれば、少なくとも「特例があるなら自分も言えばよかった」という不満は減るはずです。

ただし要望をすべて許可して特例だらけになると規定の意味が無くなります。
あくまで基本は社宅規定に沿った物件を探すこと。
特例を出すのは<規定内で探すとヒットする物件が5件未満で、選択肢が極端に少ない場合>など一定の条件を付けるようにしましょう。

\ 以前のコラムでも特例について触れています /
「どんな部屋を借りるべき?」社宅規定の作り方~お部屋探し編~

社員同士のトラブル、防止するには?

どんなに良い環境に見えても「絶対にトラブルなんて起こらない!」と断言するのは難しいもの。
それならば「起こる可能のあること」として捉えて、事前に防止するため一連の流れを作ることが大切です。

【土台】会社規定でハラスメントNGを明言する
【周知】コンプライアンス研修などで社員に周知させる
【理解】社宅がどんな制度か内容を把握してもらう
【環境】相談窓口を作る、定期的な個別ミーティングを行う
【対処】実際に相談が入ったらどう動くのか体制を整えておく

時代の流れを取り入れた会社経営を

かつて主流であった「自社保有寮」から「借上げ社宅」が主流になっている現代。
多様性を重視するなかで、会社指定ではなく本人の好きな場所に住めるタイプの住宅福利厚生が求められています。

しかし自由に選択できるからこそ一定のルールを設けることも大切です。
トラブル防止のための規定作りを行い社員への周知を徹底させましょう。
もしそれでもトラブルが発生しやすい環境にあるならば会社の体質を変える必要があるかもしれません。

時代が変われば求められる制度や体制も変わります。
「今までこれでやってきたから大丈夫!」と高を括らず、今の時代にはどんなやり方が合っているのか、今後長く会社が成長していくためにはどんな職場環境であるべきなのか、社宅制度とともに見直してみてはいかがでしょうか。

注意事項の作成もプロにご相談ください!

『社員同士で不満が出にくい規定作り』『社内トラブル防止のための注意点』を知ることでより快適に社宅運用することが可能です。

「うちの規定は問題ないかな」「どこか改善した方がいいかも?」と気になった方、ぜひ一度ご相談ください。
プレニーズの担当者が不動産業者・社宅のプロ目線でのチェックを行いよりよい社宅運用の改善点についてアドバイスさせていただきます。

コンサルティングは無料ですので、気になる点がありましたらお気軽にお問い合わせください!

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