さて、今回は前回(ストレス社会のいま『ストレスコーピング』で快適な生活を)に引き続き『ストレスコーピング』についての話題です。
前回の話をまとめると
こういった対処が必要だとわかりました。
このようにただストレスを溜め込むのではなく、状況を理解してストレスに上手く対処しようとする方法が『ストレスコーピング』です。
しかしどんなに上手く対処していっても、外部からの刺激は無くならないもの。
小さなストレスはたった1回なら受け流しやすくても、それが何度も繰り返されることで大きなストレスになってしまいます。
「今日のお夕飯何にしようかな」という小さな悩みはすぐ解決しますが、それが毎日毎日続いていくと大きな負担となり、だんだんと「もう料理の事考えたくない……」と思ってしまうようになるのと同じです。
だからたまにはお惣菜を買ってきたり外食したり、気分転換を行うのはとても大切。
ストレスも「上手く対処できているから」なんて油断していたら……本当は自分の中のストレス爆弾がじわじわ大きくなってきているかもしれません。
だから限界に達してしまう前に、一度気持ちをリセットしてしまいましょう!
自分の好きなことをすればいいのですから大雑把に言えばなんでもいいのですが、ストレスに効くとされている方法があるのでおすすめの方法をいくつかご紹介します。
ストレス(精神)と筋肉の緊張(肉体)には繋がりがあります。
肩こりや腰痛に悩まされて「テキパキ仕事ができない……」と落ち込んでしまうこともあれば、「部署の人と合わなくて気まずい……」といった悩みがあるから体が緊張してかたくなってしまうことも。
体を動かすことで同じ姿勢を続けることを防いだり、緊張がほぐれて頭がスッキリしてストレスの解消に繋がります。
休日には時間をとってヨガやピラティスを行うのもいいですね。
ストレッチに加えて、休憩時間に余裕があったら外に出ましょう。
太陽の光を浴びることでストレスを軽減させてくれる「セロトニン」が増え、意欲の向上が望めます。
ストレッチや軽い運動を一緒にできると分泌が高まると言われているので、晴れの日には少し屋外に出てみると気分がスッキリするかもしれません。
などの悩みで睡眠時間が短くなってしまっていたら、まずは十分な睡眠をとりましょう。
睡眠には『脳や身体の休養』『疲労回復』『感情整理』といった効果があり、ストレスに対してとても有効な手段です。
ただ最適な睡眠時間は個人差があり、6時間程度ですっきりできる人もいれば9時間以上寝ても「うぅ眠い……まだ寝ていたい……」と満足できない人もいます。
自分の体に合った時間を探り、規則正しい生活を送ることで体の不調も緩和されます。
(参考:睡眠リズムラボ)
たんにお喋りをして気晴らしになるのはもちろん、誰かと話しをすることで気持ちの整理がついたり、状況を客観的に見ることができるようになれます。
それに仲の良い人との会話はそれだけで楽しい気持ちになれるもの。「話したら気が楽になった」と安心できます。
ちなみにここで話をする相手として「同僚」か「社外の人」に分かれます。
「同僚」は会社の内情を知っていることから共感を得られやすく、お互いの愚痴を言い合えたり解決策を一緒に導き出せたり仲間意識が高まる傾向です。
友人や家族など「社外の人」は内情を知らない分、より客観的に状況を判断することができます。
ただ会社の悩みを相談する際は情報漏洩に十分お気を付けください。
美味しいものを食べる、旅行に行く、ゲームをする、音楽を聴く……自分の好きなことを好きなだけ楽しめる時間を作ってストレスを忘れてしまいましょう。
仕事とプライベートでオンオフを付け、趣味を全力で楽しむことで気持ちがスッキリします。
問題の解決には至らないかもしれませんが、“気持ちの切り替え”という点ではとても有効な手段です。
「美味しいものを食べる」といえば前回冒頭で紹介したアーモンドミルクもおすすめです。そのまま飲むのもいいですし、お料理やお菓子作りが趣味の方は牛乳代わりにぜひ取り入れてみてください。
ところで、そもそも会社でできるだけストレスを防ぐことはできないものでしょうか?
人事部や管理職の方ができる対策をいくつか挙げてみましょう。
ストレスの原因であるストレッサー(ストレスの元になる様々な刺激)は個人によって異なります。
そのため、
「Aさんは個人の仕事はそつなくこなすけど、チームで動くと他の人を気にして焦りがち」
「Bさんは部署異動を気にしている、そのせいで回りと壁を作って孤立している」
など社員一人一人の状況を知ることが大切です。
何もわからないとそもそもストレスを感じて落ち込んでいることにも気づかないし、何かミスがあった際「なんでこんなミスするの?不注意だなぁ、しっかりしてくれよ」と的外れな叱責をしてしまうかもしれません。
そうすると信頼関係が崩れてしまい、何も解決できないまま退職に……という未来もあり得ます。
まずは相手を理解すること。
どんなことで悩んでいそうか、何を気にしやすい人なのか?それを把握できていると状況が見えやすくなり、そもそもストレスを発生させにくく、そして発生した場合でも早めの対策が打てるようになります。
定期的に人事部の人間や上司との面談を行ったり、仕事内容を把握するためにミーティングを設けるのも良いでしょう。
会議室で他の社員の目がないときに、言いにくい悩みを打ち明けてくれるかもしれません。
そもそもストレスの悩み相談に限ったことではないのですが、社員から進んで「上司に相談したい」と思える職場環境であることが望ましいですよね。
これに関しては日頃から良い関係を築けていることが大切です。
「あの人には話したくない」と思われていては解決の糸口も掴めません。
面談を行う側の人間がいつもストレスを感じてイライラしている人だったら、相談する側は萎縮してしまいます。
実際相談されたときも「それくらいのことで悩んでるの?」「そんなこと誰も気にしないと思うけど」などと突き放してしまっては解決に至りません。
部下のマネジメントも大事な仕事。ひいては職場の環境が改善されて業務効率もアップしていくので、親身に相談を受けると心を開いてくれます。
社内メールも仕事の事だけではなく、「気になったことや困ったことがあれば書いていいよ」と窓口を作りましょう。
「いざという時は頼れる存在がある」というのが、普段仕事をする中で社員一人一人の支えになってくれます。
『ストレスチェック』とは、ストレスに関する質問票に選択式で回答し、それを集計・分析することで各々が抱えているストレスがどんな状態にあるのかを調べる検査です。
2015年12月より毎年1回すべての労働者に対して実施することが義務付けられており、最低年に1回は自分のストレスと向き合うことができます。
(参考:厚生労働省『ストレスチェック制度導入マニュアル』)
従業員がどの程度ストレスを抱えているのかがわかるので、②職場環境を見直すことができ改善が望めます。
環境が変われば仕事がしやすくなり、従業員のモチベーションアップ、ひいては会社の生産性向上に繋がるため重要な検査です。
『コンプライアンス研修』を行っている会社も多いと思いますが、これもストレスを未然に防ぐ策として有効です。
特に人間関係で悩んでいる社員に効果を発揮します。
「こういった発言はセクハラです」「嫌なことがあったとき周りにあたるのはやめましょう」と全体に周知させておけば、まずやってはいけないことだと認識させることができます。
仮に実際起こってしまった場合でも「研修で注意が出ていましたよね、上に報告します」とすぐ対応できるので心強い後ろ盾となってくれるでしょう。
“研修”や“社内規定”で周知させることで「会社はこう考えている」「これに反したら規定違反と捉える」という姿勢をとることになるため、社員の信頼と安心を獲得することができます。
ストレスにも種類があるように、ストレスコーピングも人によって何が有効か異なります。
最適な方法はどれもやってみないと分かりませんが、いずれにしても大事なのは「ストレスの悩みを解消したい」という気持ちです。
放置して心が疲弊しきってしまう前に、何か対策を打ってみましょう。
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