今年も次々に台風が上陸し始めた日本列島。こんなときこそ外出せず家に居たいものですが、働いているとなかなか「雨が降っているから休みます」というわけにもいきませんよね。
雨の中の通勤は道も混みがちで時間がかかります。そのためつい慌てて走っていたら、濡れた地面で足元が滑って転んでしまった!なんて経験はないでしょうか。
通勤途中にケガをしてしまったら、労災がおりることがあります。
労災は「労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度(参照:厚生労働省ページ内「労災補償」より)」です。
労働者を1人でも雇用していれば企業は加入する義務があり、業種や会社の規模は関係ありません。また、アルバイトやパート、正社員の誰にでも適用されるため、雇用形態を理由に「あなたは労災を受けられません」と断られることもないのです。
ちなみに厚生労働省が発表している『令和2年 労働災害発生状況(令和3年4月30日公表)』によると、昨年1年間で休業4日以上の死傷者数は131,156人で、前年から5,545人増えているそうです。内訳では徒歩・車通勤の方どちらも関わることのある「交通事故」が5%、高い場所からの落下が目立つのか「墜落・転落」が16%。そして最も多かったのが「転倒」24%でした。
全体の約4人に1人が転倒で労災を申請していることになります。天候が優れない日、どうしても外出が必要な際は足元に注意してください。
労災はその原因によっていくつか分類が分かれます。
一つめが業務中のケガや疾病を理由とする「業務災害」、次に複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする心臓疾患や精神障害を理由とする「複数業務要因災害」、そして通勤途中で発生する「通勤災害」です。
従業員なら誰でも適用されるとはいっても、それが「業務に関係する移動だったか」「通勤としてみなされるのか」が判断されなければ補償が受けられないこともあります。
具体的に、以下の場合補償はどうなるでしょうか?
「早く会社に行かなければいけない」という理由があるならいつもより早めに出勤しても通勤の範囲として認められます。
ただし「思ったより早く着いたからゲームセンターに寄った」などの行為を行なうと通勤と認められない場合もあります。あくまで「通勤の時間」だという事を念頭に置きましょう。
※コンビニで飲み物を買う、といった些細な行為は例外です
このように災害の原因が企業側でもなく、本人の不注意でもないときに「第三者行為災害」が認定されることがあります。
今回の場合物を落とした人が損害賠償の義務を有している可能性が高いので、「第三者行為災害」となります。
この場合は通勤災害ではなく業務災害となり労災が適用されます。元々は休日だったので、ポイントは「その出勤が会社や上司など上からの指示によるものだったか」です。
(参考:厚生労働省『労災保険給付の概要』)
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以前の記事でハザードマップの確認方法について紹介しました。
こちらも合わせてご覧ください。
労災の適用範囲は広いですが、結局ケガも病気も無いのが一番。「何かあったら補償があるしな!」と高を括らずに安全第一で通勤しましょう。
企業側も従業員の安全を考え、事前に大きく天候が荒れることが予報で出ていたら、通勤時間をずらす、緊急の業務が無ければ休日扱いにする、など臨機応変に対策をとれる体制が整えられているといいかもしれません。
8月9月とまだまだ天候が荒れることがあります。十分気を付けて過ごしましょう。
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