日本では”1人の人間が人生で行う引っ越し回数”は平均3回と言われています。
進学、就職、転勤、結婚...人生の転機にお引っ越しをされる方も多いと思いますが、いざ賃貸物件の情報を提示されたときその内容を正しく読み取れているでしょうか?
「SR造とSRC造って何が違う?」
「駅徒歩〇分って何が根拠?」
「1Kと1Rって同じ間取りじゃないの?」
おそらく多くの方にとって不動産用語というものは、日常生活であまり関わることがありません。“なんとなく聞いたことがある”程度の単語が並び「よくわからないけど大体こんな意味だろ?」と曖昧な感覚で精査していたら、優良物件を見逃してしまうことも……。
そこで今回は賃貸マンション/アパートのお部屋探しでよく見る不動産知識について解説。お部屋探し時の「なんとなく」を減らして、お気に入りの物件を効率よく見つけましょう!
─ 目次 ─
(1)建物構造
─SR造とSRC造はどう違う?
─耐震、耐火、遮音に対する効果は?
(2)駅徒歩〇分って何が根拠?
─この基準はどうやって決まったの?
─実際にはもっと長く感じるんだけど……
(3)間取りの表記
─1Kと1Rはどう違う?
(4)「ユニットバス」の意味
─〇点ユニットバスは何が違う?
(5)アパートとマンション
─マンションで探したいんだけど……
どんな建築材料で建てられたのかを示します。
日本では【鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)】【鉄筋コンクリート造(RC造)】【鉄骨造(S造)】【木造(W造)】の4つが主流で、一般的に“マンション”と呼ばれていたら木造以外の3つが使われていることが多いです。
鉄筋コンクリート造(RC造)は「鉄筋で補強されたコンクリート」という意味で、鉄筋を使用した枠組みにコンクリートを流す方法で造られています。
鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)はさらにH型鋼などの鉄骨を中に組むことでより強度を上げた構造です。
耐震性については、現代では建築技術が向上しているため「建築材料の違いによる耐震性の差に大きな影響は無い」とも言われています。そのためハザードマップを見て安全な地域に建っているか、どんな免震/耐震対策を取っているかなど物件ごとの対策の方が重要です。
耐火性・遮音性の効果はSRC造が最も高く、ほぼ同じくらいでRC造、次いでS造、W造と並びます。
ただしSRC造の建築/解体はコストがかかるため他の構造と比べると賃料が高くなりがちです。迷ったときは賃料を抑えるか建物の頑丈さをとるか、自分の希望条件を一度整理してみましょう。
近年建築技術の向上によってRC造でもSRC造に近い耐火性・遮音性を持つ物件が出ています。そのため「できるだけ丈夫で、できるだけ賃料の安い物件」を好む方には、強度が高くコストもSRC造よりかからないRC造が人気です。
不動産業界では公正競争規約(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則)により、A地点からB地点までの道路距離(道路に沿って測定した距離)を
80mごとに1分
で算出することが共通ルールになっています。端数は切り上げになるので、もし道路距離が85mであれば表示は徒歩2分です。
かつて不動産広告のルールが定まってなかった頃、徒歩分数は各々の不動産会社が好きに定義していました。実際の距離感とはかけ離れた徒歩分数を表示している会社もあり、消費者が正しい情報を受け取れていなかったのです。
そこで「業界共通のルールが必要である」と当時の公正取引委員会が動き出しました。
当初はできるだけ物件を近く見せようと100mごと1分という案が出ていましたが、とある女性職員が「そんなに速く歩く人はそうそういない、その計算では消費者が損をする」「現実的な速度を出すべき」だと訴えたのです。
そして「自分のような女性でも歩いているような速度が妥当だ」と考え、職員が実際に歩いて計測したことで“健康な女性がハイヒールのサンダルを履いて歩いたとき”を基にして80mごと1分という基準が定められたのです。
「徒歩5分だから近いはずなのにもっと時間がかかっている」というような場合、以下の理由が考えられます。
距離を測る際は建物の出入り口を起点とすることが認められています。
大型ターミナル駅の場合「駅の出入り口」と「改札」が離れていることがあるので、これが見えない距離となって実際の距離より長く感じてしまう事があります。
大通りを渡らなければいけない、踏切を越えなければならない、などの要素がある場合は、その待ち時間が長いほど当然目的地までの時間もかかります。歩道橋を越える際も、階段の上り下りに要する時間は加味されません。
そのため実際の道路状況によっては、地図上で計測された徒歩分数よりも長く感じてしまうことがあります。
「駅まで徒歩5分!」という表記を見ると近く感じますが、徒歩5分と表記できる立地は400m~479mの範囲です。一番近い地点から遠い地点まで80m差があります。
もしお目当ての物件が「駅までの距離479m」の立地だったらどうでしょうか?地図上で計測した数値では確かに徒歩5分ですが、体感では6分に感じると思います。
また、あくまで80mごと徒歩1分は基準の数字なので、人によっては歩く速度が変わり60m/1分の方もいらっしゃいます。ここに前述した信号待ちの時間などが含まれればさらに長く感じるでしょう。
このように徒歩分数はあくまで地図上の計測に基づいているものなので、実際歩いてみると感じ方は人それぞれです。
気になる物件があったら書類上の条件だけに満足せず、Googleマップのストリートビューを閲覧したり、現地に赴くなど、「実際の状況」も確認してみましょう。
間取りの希望を出す際に出てくるこれらのワード。
「K」はキッチン、「L」はリビング、「D」はダイニングの頭文字です。「DK」だとダイニングキッチンを意味し、調理場の横にテーブルを配置して食事ができるスペースのことを示します。「R」はルームでそのままお部屋という意味です。
単身者向けには1K、1R、1DKなどのコンパクトな間取りがあります。
各不動産サイトでもよく取り上げられているのがこの2点の違いです。判断の基準はキッチンが居住空間と別れているかどうかにあります。
1K=キッチンと居住空間が別
1R=キッチンと居住空間が同じ
廊下や浴室なども含めた全体の広さでいうとそれほど違いはありません。より広い物件だと仕切りが増えて1DKになったりしますが、1Rと1Kの比較では同じくらいの広さです。
居住スペースに絞って言うと、仕切りがある分1Kの方が狭く、1Rの方が空間を広く感じる作りになっています。
1Rはキッチンと居住スペースが一つの空間になっているのため、1Kに比べるとエアコンの効きが悪いと言われています。玄関からの熱がそのまま伝わるので、夏の暑さ/冬の寒さは影響しやすいです。
冷蔵庫の稼働音などもドアで遮られることなく響いてきますので、こうした点が気になる方には1Kの方がオススメです。
換気扇がついているとはいえ、仕切りが無ければ調理場のにおいはダイレクトに居住スペースに流れ込みます。そのためソファや寝具へのにおい移りが気になる場合は1Kを選んだ方が安心です。
前述した(2)(3)の理由などから、似たような物件であれば1Kの方が数千円程度高い傾向です。
ただし「築年数20年超」「洗濯機はベランダに設置」「3点ユニットバス」のような条件が加わると市場で競争率が低い=賃料が下がることがあります。費用は抑えたいけど1Kがいい!と思った際はこうした条件の緩和も視野にいれてみましょう。
ユニットバスと聞くと「浴室とトイレが同じ空間」を思い浮かべる方もいらっしゃいますが、厳密にはそれは「3点ユニットバス」です。
ユニットバスはあらかじめ壁・天井・床・浴槽といった浴室のパーツを工場で準備しておき、施工現場でそれらを組み合わせて完成させるタイプの浴室を指します。
既存のパーツを組み立てていくので、タイル張りなど以前の方法と比べるといくつも利点があります。
組み合わせるパーツによって表記が異なります。
1点ユニットバス ・・・ 浴室のみの最もスタンダードなタイプ
2点ユニットバス ・・・ 浴室内に手洗い場が含まれている
3点ユニットバス ・・・ 浴室、手洗い場、トイレが一体になっている
つまり“浴室とトイレは別がいいな”と思ったときでも「1点ユニットバスor2点ユニットバス」は候補に入ります。日常会話ではまだまだユニットバス=3点ユニットバスのイメージが強いですが、お部屋探しの時は言葉のイメージに惑わされず間取りや諸条件を確認していきましょう!
実はこの2つに明確な定義はありません。不動産業界で広く使われている基準は存在しますが、それこそ「徒歩分数は80mごと1分」のような明確なルールは無いのです。
一般的には次のような分け方が浸透しています。
【アパート】木造または軽量鉄骨造、2階建て
【マンション】鉄骨造以上の強固な造り、3階建て以上
ただし重ねて申し上げますがルールではないので、木造3階建てでマンションと登録している物件もあれば、鉄筋(RC)造でも2階建てを理由にアパートと名前が付けられていることがあります。
近年では「木造の高層マンション」建設が話題になりました。こちらも“鉄骨造以上”の条件に当てはまっていませんがマンションと呼ばれていますね。
最終的には物件を管理している不動産会社がアパートorマンションどちらで紹介したいかによりますのでご注意ください。
なぜ「マンションが良い」と思うのか理由を書き出しましょう。もしかしたら言葉のイメージに惑わされているかもしれません。
アパートだから、マンションだから、ではなく
……など細かく希望の条件を挙げ、自分が求めている物件像を明確にすることが大切です。
条件を見ず「アパートならいいや」と候補から省いている場合、掘り出し物との出会いを自ら消している可能性があります!条件を書き出して、それをもとにお部屋探しを進めていくことがオススメです。
人生で何度とないお引越し。転勤などの事情が重なれば時間は限られてしまい「もっと効率よく部屋探しをしたい!」とお悩みではないでしょうか?
社宅制度を導入中、またはご検討中の企業様においては「資料の読み方が難しい」「社宅探しをもっと簡単に行いたい」「社員に対して部屋探しの流れを説明した資料を配りたい」……などなど、細かいお悩みもぜひ一度ご相談ください。
プレニーズの担当者が不動産業者・社宅のプロ目線でお部屋探しのコツをアドバイス!お悩み解決のご対応をさせていただきます。
コンサルティングは無料ですので、気になる点がありましたらお気軽にお問い合わせください!
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