日本で広まる!『ジョブ型』の雇用とは?

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日本で広まる!『ジョブ型』の雇用とは?

事務所に出社しないで仕事ができるリモートワークが広まっている現代。
仕事と休暇を両方楽しめる「ワーケーション」や、他の会社の人とスペースを共同利用する「コワーキング」など様々な働き方が生まれています。

各企業が自社の働き方を見直すなか、いま『メンバーシップ型』『ジョブ型』という呼び名での雇用方法が定着しつつあります。

従来の雇用は『メンバーシップ型』

現在日本では勤続年数によって給料が変わる“年功序列”や、入社した会社が倒産しない限りは定年まで働くことができるという“終身雇用”が定着しています。

こういった学歴・年齢といった経歴を重視する採用方法が『メンバーシップ型』です。

 

メンバーシップ型のメリット

従業員から見たら一つの企業に長く勤めることができるので、仕事がある=年齢を重ねても安定した生活を送れる
という保証があります。

企業側としても「長く勤めるメリットがあるよ」と提示できることで離職の防止に繋がり、新たに人員を確保しなければ……といった人事のお悩み解消にもなるのです。

日本は人生100年時代で高齢者の就業率も高まってきているため、長く働ける保証があるのは安心感がありますね

 

メンバーシップ型のデメリット

長年勤めたら給料が上がる……ならば、逆に言えば「長く勤めないと給料が上がらない」ともとれます。

新卒で入社したならば初任給は低く設定されているため、5年、10年と経たなければ満足のいく給料には届きにくいでしょう。

そしてもし長年勤めて全く成果を出すことができなくても、終身雇用で会社に籍を置くことは保証されています。
ですが企業側からすると「辞めさせたいのに契約上できない」しがらみがあるので困りものです。
するとどうなるかというと……地方への左遷や今までと違う業務の部署に異動など、本人のやる気を削ぐような人事が横行してしまいます。

2019年に経団連から終身雇用に苦言を呈する記事が出ていましたが、日本ではいまだにメンバーシップ型の雇用を採用している企業が多いのも現状です。

 

どうして日本で『メンバーシップ型』が定着したの?

日本でメンバーシップ型が多い理由として、1900年代の環境が大きく関係していると言われています。

1900年代初期の日本は今と比べると転職率が高く、企業側にとっては人員確保に悩まされる状況でした。
そこで転職防止のために年功序列や終身雇用といった、一つの企業に長く勤めてもらえる制度が生まれたのです。

しかし戦時中は国に残る人も減り、労働力不足によってあまり定着はしませんでした。

その後敗戦した日本では貧困に苦しみ、大勢の人々が生活の安定を求めました。
そして1950年代から高度経済成長期に入ったことで、人口増加・需要の拡大と経済が復興。企業が労働力確保に動き、働き手としても「安定した職が欲しい」「雇用が保証された企業で働きたい」と望む声が増えたのです。
こうして日本では終身雇用が定着したとされています。

広まりつつまる『ジョブ型』

メンバーシップ型に対していま広まってきているのが『ジョブ型』と呼ばれる雇用方法です。

ジョブ=仕事を重視した採用方法で、その人がどんな仕事をこなせるのか?どんなスキルを持っているのか?といった点で評価が決まります。

 

ジョブ型のメリット

スキルに応じた仕事内容が明確になるので、「自分は何をすればいいのか?」がわかりやすくなります。

日本では新卒一括採用でいろんな部署を試してまわったり、総合事務職のような「社内の様々な事務を請け負う」曖昧な仕事も多くありますが、この点がクリアになるのです。
その人にしかできない専門的な仕事を任されることが多々あるので、本人はさらにスキルを磨くことができ、会社は専門スタッフを確保して業務内容に専門性が加わるといったメリットがあります。

一番のメリットはなんといってもスキルがあれば評価される点です。
勤続年数に左右されないため、たとえ入社したばかりの社員でも能力さえあれば高い給料を期待できます。

 

ジョブ型のデメリット

仕事の成果によって給料が変わってくるため、成果を上げられなければ年齢が上でも経験年数が長くても報酬は少ないままになります。
研修や勉強会への参加も本人次第となりますので、とにかく自分で動かなければ状況が変わっていきません。

また、専門性が上がると「〇〇はAさんの仕事」「△△はBさんの仕事」と一つ一つの仕事が個人に依存する形になるため、みんなで手分けして作業にあたる……といったお互いが協力していく空気にもなりづらいです。

そして一番の違いは雇用が保証されていない事。メンバーシップ型の“終身雇用”のように守ってくれる制度がないため、会社側から必要なしと見られたら解雇されてしまいます。

 

日本よりも欧米で『ジョブ型』が多いわけ

欧米は厳しい実力主義の世界です。もともと「どんな仕事をしたか、どれだけ成果を出したかで報酬が決まるのは当たり前」という考えがあるため、個々の能力に応じて給料が変わるシステムが適していたといえます。

また、欧米では日本の新卒一括採用のような制度ではなく、通年で求人募集をかけて好きなタイミングで人員を確保していることが一般的で、スキルを持っている人に対して転職の受け口が広いのも特徴です。

日本でもジョブ型が広まりつつありますが、長年根付いてきた雇用方法を変えていくのはまだまだ時間がかかると言われています。

コロナ禍では『ジョブ型』が適している?

テレワークが進み事務所に出社する機会が減ってきているなかでは、ジョブ型の評価がわかりやすいと言われています。

上司と同じ事務所で「頑張って仕事をしています!」という真面目な姿勢を見せる人事評価制度が必要なく、「どれだけ仕事をこなしたか」の実力だけで評価が決まるためです。
上司の目線からしても、「研修をしたいけど、画面越しだとやりづらいなあ」「新入社員を一人にしておけないから、事務所で指導しないと……」といった悩みも解消されます。

 

結局、どちらの働き方がいいの?

結論から言うと、どちらともいえないのが正解です。

業種や仕事内容にもよりますし、メンバーシップ型とジョブ型どちらも採用している企業もあります。

それぞれにメリット・デメリットがある以上、自分の能力ではどちらの働き方が合っているのか?
また、自分が働く・働きたいと思っている企業はどちらを採用しているのか?
と考え、その上でどちらが良いのか決めていきましょう。

企業側としても自社の社員の働き方ではどちらの雇用方法が適しているだろう?と見直し、働き方を一つに絞らない制度を作れると従業員の満足度もアップしそうですね。

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