夏に向けて気温の高まる6月。
春から新卒で入社した方も、そろそろ研修を終えて各部署に配属されている頃ではないでしょうか。
研修のやり方も企業によって様々で、ビジネスマナー研修で社会人の基礎を学んだり、ボードゲームでチームワークを磨いたり、なかには無人島で数日間生活をする……なんてタフな研修を行っているところもあるようです。
真面目な講義も、ユニークな企画も、企業によって様々な研修がありますが、どんな企業でも共通していているのが「新しく入社してくれた仲間に、会社に慣れてもらいたい」という思いです。
そんな企業の取り組みが『オンボーディング』と呼ばれ、近年人事ニュースのトレンドに上がってきています。
元々は英語の【on-boarding】から来ており、船や飛行機の新しい乗組員に対してルールなどを伝える事を指します。
人事用語では新入社員に対して業務上の知識や技術の提供を行ったり、社風や文化を知ってもらうことで現場に慣れてもらうようサポートする一連のプロセスの事です。
会社が一律で行っている研修とは別に個々に対して行われるものなので、「‟自分は”どんな仕事をすればいいのか」「‟自分が”働く部署はどんな雰囲気なのか」が明確にわかることがメリットです。
オンボーディングで大きく期待されているポイントはこの2点。
「離職の防止」というとカタく聞こえてしまいますが、要は会社を好きになって「ここで働いていきたい!」と思ってもらう事です。
せっかく入社してくれたのに、研修後
と妙なモヤモヤが残ったまま実務に進んでしまい、結局モヤモヤが晴れず早期に離職してしまうケースも残念ながら少なくありません。
入社後すぐに離職してしまっては、会社側も従業員側もデメリットが大きいですよね。
厚生労働省の発表している雇用動向調査によると20~24歳の離職率は約3割となっており、決して低い数字とは言えません。(参照:2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況) 離職防止のために何か対策を講じることが必要とされています。
研修期間のうちに会社を知り業務内容を理解してもらうことができれば、早い内から仕事をこなせるようになり「自分はやれる人間だ!」と新入社員のモチベーションアップに繋がります。
仕事が理解できる・効率よく進められることでその後の業務もスムーズに進められるため、
結果として生産性が向上
➡やる気が出ることで離職率が下がる
➡新しい人材を確保する時間が無くなる
➡人事採用のコスト削減
と、会社としても良いことづくめです。
日本のオンボーディングは海外に比べると、業務の指導よりも「会社の雰囲気に慣れてもらう」ことに重きをおく傾向にあります。
理由ははっきりとあるわけではないのですが、昔から『和を以て貴しとなす(みんなが仲良く、争わないのが一番いい)』という言葉があるように、日本人はなにかと和を重んじる風潮があるためでは?と言われているようです。
様々な企業が新入社員のための食事の場を設けたり、話しやすそうな先輩を選んでグループを組んだりと、従業員同士で良いコミュニケーションが取れるようセッティングし、「これから仲良くやっていこう!」と取り組んでいます。
直接の上司・部下の関係ではなくても普段から話しやすい相手がいれば、いざという時の相談先として心の拠り所ができるでしょう。
「これ失敗しちゃったけど……やっぱり言いづらいなぁ」
なんて場合も、信頼関係が築けていたらすぐに報告が上がってくるので、会社側としても対処がしやすいです。
もちろん「仲良く!」といってもプライベートのことを深く突っ込んだりすればまた別の問題になりますので、そこは一線を引いてよい距離を保てると良いですね。
右も左もわからず不安の大きい新入社員。手が上手く回らずにやきもきしたり、自信を無くしてしまうことも多いでしょう。
事前に職場の環境を整え、そんな不安もできるだけ解消してあげたいものです。
オンボーディングは人事部や配属される部署だけに限らず、会社全体で協力して取り組むことができればよりよいサポートに繋がります。
次に新入社員を迎えるときにはどんな環境を整えておきたいのか、今から考えておくのもいいかもしれません。
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