『賃貸不動産経営管理士』が国家資格に

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『賃貸不動産経営管理士』が国家資格に

賃貸不動産経営管理士が国家資格になってはや1か月が経ちました。
ニュースを見て興味を持つ人が増え、資格をとろうと受験を志す人もいるようです。

今回は不動産豆知識として、この『賃貸不動産経営管理士』についてお話しさせていただきます。

 

『賃貸不動産経営管理士』はどんな資格?

名前にもある通り不動産系の資格の一つで、賃貸マンション・賃貸アパートなど、主に賃貸物件に関する業務に携わります
賃貸物件の経営や管理について、専門知識と倫理観を持ったスペシャリストです。
2007年からある資格制度ですが、今回国家資格となったことでより「重要な役割なんだ」とわかりやすくなりました。

近年賃貸物件ではサブリース(転貸)契約や民泊問題が増え、

・物件をきちんと管理できているのか?
・その業務は適正なのか?
といったトラブルが相次いでいました。

個人で管理されている場合は所有者の高齢化が進み、あげく相続問題にまで発展することも。
年々複雑化する管理内容に手が回らず専門業者に管理を委託する方も増加しています。

そのため賃貸不動産経営管理士は物件の所有者・入居者双方が安心して賃貸借できるように、公正中立な立場で適正な業務にあたることが求められているのです。

 

また、改正により付与された業務が次の2つ。

  1. 賃貸住宅管理に関する重要事項説明および重要事項説明書の記名・押印
  2. 賃貸住宅の管理受託契約書の記名・押印

賃貸不動産経営管理ではないとできない仕事があるので、今後も需要が増えるだろうと予想されています。

他の不動産の資格と何が違うの?

不動産会社の資格で有名なものと言えば『宅地建物取引士』があります。
不動産会社に勤めていると言ったら「えっ、じゃあ宅建持ってるんだ?」と聞かれたことのある人も多いのではないでしょうか?
かくいうわたしも同窓会や親戚の集まりでは何度か聞かれていました。

ざっくりいうと宅地建物取引士は主に”不動産取引の業務全般”について賃貸不動産経営管理士は”賃貸不動産の管理”について業務を担っています。
なので土地建物の売買や入居前の募集は宅地建物取引士が、入居後のクレーム対応や物件のメンテナンスは賃貸不動産経営管理士が……と主に期待されている業務が分かれているのです。

また「うちには不動産の専門家がいるので適正に業務ができます」と示すために、宅地建物取引士は従業員の5人に1人の割合で登録することが義務付けられています(従業員数100名の不動産会社なら100÷5=20人の登録が必要)。
それに対し賃貸不動産経営管理士は事業所につき1人の業務管理者が設置されていれば問題ありません。

比べてみるとこのようになります。

『宅地建物取引士』

  • 「不動産取引」の業務全般を担う
  • 入居前の不動産に関する取引を行う(土地・建物の売買、媒介、仲介)
  • 従業員数5人に1人の割合で設置が必要

『賃貸不動産経営管理士』

  • 「賃貸不動産」の管理について業務を担う
  • 入居後のクレーム対応や物件のメンテナンスなどを行う
  • 事業所につき1人設置が必要

国家資格として登録するには?

見逃したくないのは、既に賃貸不動産経営管理士の資格を持っている人でも、そのままでは国家資格にならないということ。
宅地建物取引士のように登録をすることが必要です。

①既に資格を持っている場合

「業務管理者移行講習」を受講して修了することで国家資格へ移行になります。
但し移行には期限があり、2022年6月までに移行ができないと国家資格にはならないので注意が必要です。

②これから資格を取りたい人

まず前提として「管理業務に関し2年以上の実務経験を有する」ことが挙げられています。
そのうえで、

  • 宅地建物取引士の資格を持っていたら → 指定講習を受ける
  • 宅地建物取引士の資格を持っていなかったら → 登録試験に合格する

こうすることで登録ができるそうです。

また、国土交通省の指定する講習を受けることで「2年以上の実務経験」と同等の能力があると認められるため、「実務経験を積むのは時間がかかるし、今の仕事から離れられないなぁ」という方も、「収益不動産を所有しているから、勉強も兼ねて持っておきたい」なんて個人オーナーも、安心して取得を志すことができます。

『賃貸不動産経営管理士』は将来性のある資格

現在の日本は総住宅数の約3割が賃貸物件だという数字も出ており、物件の管理について知識が求められる場面が多くなってきています。
特に東京都内ではマンションに住む単身世帯が年々増加傾向にあることから、トラブル防止のためにも専門家の必要性が上がってくるでしょう。

今回国家資格となったことで人気も高まり、今後は試験も難化していくのでは?と言われています。
専門業務と設置義務があることで不動産業界での需要が一気に高まったことで不動産業界への転職が有利になると言われており、将来性のある資格です。

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